ご挨拶....第4次産業革命が来ます
最近、インダストリー4.0とか第4次産業革命、そしてDX(Digital Transformation)という言葉を頻繁に耳にします。インターネットにあらゆるものがつながるIoT(Internet of Things)やIoE(Internet of Everything)により、社会生活環境全般にわたり、大きな変化をもたらすのではないか、と。この波は、ものづくりの領域にも押し寄せ、生産管理や工場管理の在り方を大きく変える可能性もあり、関係者は期待と同時に、ちょっぴり不安を感じているようです。IoEによって、生産管理や工場管理のどこがどう変わるのか、今後ますます、関心が高まっていくのではないか、と思われます。
大量生産が始まった第2次産業革命そして、コンピュータ制御の繊細な自動化で特徴付けられる第3次産業革命を振り返り、そこにIoEを並べてみると、その方向性がみえてきます。IoEにAI(人工知能)と即時性を重ねてみれば、さらにはっきりしてきます。
軽く目を瞑ると、変動する需要に追従しながら自律的に生産を続ける工場の姿が浮かび上がります。常時蓄積され更新される受注・出荷情報はもちろん、マーケット情報、顧客情報、技術情報等々、必要な情報から、AIが直近の受注見込、それにシームレスにつながる中長期生産計画を必要に応じて生成します。これまでの月次生産管理サイクルは消え、当然ですが、生産を管理するための固定の月次生産計画も必要なくなります。
第4次産業革命は始まったばかりです。セキュリティーや標準化など、時間と労力のいる課題が山積していますので、上記のような姿になるためには、数年から十数年の年月がかかるのではないかと思われます
しかし、だからと言って、のんびりと傍観していていいはずはありません。時代はあっという間に変わってしまいます。第4次産業革命への準備は、早ければ早い方がいいかもしれません。なぜかと言いますと、現在、利用できる技術で、第4次産業革命が目指す、固定生産計画なしの需要追従型生産管理の仕組みは、緻密さは多少劣りますが、今、実現できるからです。それが動的生産管理(DPM;Dynamic Production Management)だ、と言ったら、眉唾物に聞こえるでしょうか。
動的生産管理を発表して以来、このWEBSITEへのアクセス数も多くなってきました。専門用語での検索数も増えてきました。また、時々ですが、具体的なお問い合わせもいただいております。「わかりにくい」というお叱りもいただきました。皆様の関心の高さに驚いているところです。
皆様方のご要望に沿うべく、今般、WEBSITEを全面的にリニューアルいたしました。改善点のひとつは、これまでは別サイトで運営しておりました「生産理論のひろば」を本サイトに合流させたことです。これまでの生産管理では、それを支える基本理論の脆弱性に起因する混乱が指摘されてきました。「生産理論のひろば」では、生産の基本理論に重点を置いて編集してまいります。しかし、基本理論は数式が出てきたり、実験が簡単にできないため実証が難しいなど、それを強調するとわかりにくさも増してしまいます。生産の基本理論は、生産現場の「理屈」と整合性がとれていることが重要ではないかと思っております。
現場は、日夜動いております。次々に降りかかる理不尽な問題に基本理論は無力というより、邪魔者扱いされてしまいます。生産現場と基本理論の間には、埋めがたいギャップが感じられます。このギャップをいくらかでも埋めるべく、生産現場の視点で、「生産管理」「在庫管理」「受注生産」「見込生産」に分けて、編集し直しました。皆様からのフィードバックの中で一番多いのは、生産計画なしで、どうして生産を安定させ、欠品を防ぎ、納期を守ることができるのか、という疑問です。また、変動する需要に生産を追従させることで、生産ラインは混乱しないのか、という質問もいただきました。今回のリニューアルでは実用的な面と論理的な面でまとめ直し、その間にきちんとした整合性があることを示しました。皆様の疑問にいくばくか、答えられていれば幸いです。。
生産管理用ソフトの問い合わせもいただいております。動的生産管理は、今お使いの生産管理システムが整番型であれば、利用できるだろうと思います。とは言っても、社内にIT技術者がいないとか、簡単に導入してみたいという企業も多いと思われます。そのようなご要望には動的生産管理用のソフトを準備することも考えています。開発に興味のある企業はご一報ください。
管理用ソフトと言えば、在庫管理用ソフトも面白いと思います。これも、多少不便ですが、エクセルでも動かせますが、SKUの点数が多くなってくると大変になりますので、やっぱり専用のソフトがあった方が便利です。これまでの在庫管理とは違って、ユニバーサルな原理をベースにしていますので、サプライチェーンのどこにでも使えます。簡単な割に、汎用性の広いソフトになると思います。こちらも興味のある企業は、ご一報ください。
今は、第3次産業革命から第4次産業革命の転換期です。これまでの、生産計画を基準とした中央集権型生産管理から需要追従・分散型生産管理への転換でもあります。古き良き時代に習った生産管理は、もはや、陋習と化しつつあります。弊害が大きくなる前に、新しい時代のパラダイムにギアを入れなおしてみてはどうでしょうか。
DPM研究舎代表
佐々木 俊雄
発足 2012年11月
電話 022-777-5423
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佐々木俊雄 の経歴
(株)東芝にて生産設備の設計、その後ソニー(株)で、電子部品の設計・開発、工場管理、国内海外の工場立上げ、資材、営業の技術支援など幅広く経験する。 2004年3月ソニー退社。その後(株)TOC研究舎を設立し、ソニーで経験したJITとTOCをベースとした企業支援活動に従事。2005年4月有志と日本TOC推進協議会を立上げ副理事長に就任。2011年3月同協議会を脱会。2012年11月、 (株)TOC研究舎を解散し、動的生産管理(Dynamic Production Management;DPM)の開発と普及を目的としてDPM研究舎(任意団体)を発足させる。
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