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生産理論とは?

生産理論について、簡単に触れておきます。生産理論に似ているもの、あるいは関連するものを挙げれば、生産管理、生産技術、工程管理、在庫管理、、、などが思い浮かびます。品質管理や原価管理なども含むでしょう。少し広く捉えれば工場管理やサプライ・チェーン・マネジメントなども関係があります。では、生産理論とは?

「ものづくり」に必要な主な「しごと」としては、商品の開発、設計、製造などがあります。固有(要素)技術の開発や研究開発もあるでしょう。それぞれの「しごと」の内容は異なり、当然ではありますが、その成果物も 異なります。商品開発は、これまでになかった機能や利便性を付加した商品の実現性を確認すること。それを具体的な設計図面や仕様書に仕上げるのが設計。そして 部材を調達し、様々な処理を施し実際の商品に仕上げるのが製造です。

大雑把に「開発」「設計」「製造」の3つに分類して話を進めます。違いよりも共通性に着目してみましょう。「しごと」の担い手は人、機械(加工、組み立て、情報処理、、、)、工具類、、これらをリソースと呼んでおきます。どんな しごとをするか、これを工程(タスク)とします。そして いくつかの工程を経て成果物が出てきますが、これを工程ネットワークと呼んでおきます。成果物はアウトプットです。アウトプットを生み出すためにはインプットが必要です。「開発」 や「設計」のインプットは主にマーケット情報や技術情報、「製造」のインプットは主に部材と受注情報。まとめますと、インプット/アウトプット、リソース 、工程ネットワークの3つが主要基本要素と考えられます。

3つのしごとの機能レベルをどのように捉えるか。これにも共通性があります。先ずは生産性。生産性の定義を単位時間当たりの生産数量としましょう。これを生産率と呼ぶことにします。生産性を表すもう一つは、 1単位のしごとが始まり、完成(終了)するまでの時間です。これをフロータイムと呼ぶことにします。生産率とフロータイムに密接な関係にある工程仕掛も重要な項目です。WIPと呼んでおきます。 「開発」や「設計」では生産数量やWIPは個数や量ではなく、件数となります。 つまり、「開発」も「設計」も「製造」も、生産率とフロータイムとWIPでその性能を捉えることができ ます。

「開発」「設計」「製造」の基本構造に共通性があること、また、それらの性能を共通項目で捉える事が出来ることは、いったい何を示唆し、何を意味するのでしょうか。

3種類のしごとの根底には、共通のメカニズムがあるのではないか。それには法則性があり、理論としての体系が存在するのではないか、ということではないでしょうか。それを「生産理論」と呼んでおります。

生産理論を構築する上でもうひとつ、重要な要素があります。それは不確定性です。不確定性はバラツキ、変動などとなり現れます。「たら、れば、」というとめめしくなりますが、バラツキ、変動がまったくなければ、管理は非常に簡単になるのではないでしょうか。しかし、 現実は、機械はいつ故障するかわからない、部品は予定通り納入されない、納入された部品は不良品まじり、などなど、、、不確定要因だらけです。 今はどこの企業も多品種生産。それぞれの製品需要はめまぐるしく増減します。需要の増減は企業側では手の打ちようはほとんどありません。 企業の内外を問わず、様々な不確定要因が存在します。ある程度不確定性を避けることができたとしても、限定的でしょう。つまり、生産理論は不確定性 から逃れることはできません。それを前提に しなければならないことになります。

生産理論 の体系が明らかになれば、トヨタ生産方式、ドラム・バッファー・ロープ、セル生産方式、、、などなど幾多の生産方式やプロジェクト管理方法の特質を公平に比較することができるようになるでしょう。それができれば、自社の生産環境になじみやすい生産方式の選択が容易になり、さらには自社に最も適した独自の生産方法の開発もできるようになるのではないかと期待されます。

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