Flexscheは古い常識に縛られていないか?

生産スケジューラを導入した企業で、うまく使いこなしているのは、たったの4%だ、という話を前回しました。50%は導入失敗で諦め、46%は問題を抱えながらなんとか使い続けているんだそうで。この数字を切りよく整理して、 5045とでもしましょうかね。世の中にはいろいろな商品が出回っていますが、 5045のような商品って、他にあるんでしょうか?

普通なら、こんな商品使えないよって、返品しますよね。でも、生産スケジューラって、違うようです。導入しようとしてうまくいかず諦めた企業ではどうしてるか、もちろん全部調べたわけではないのでわかりませんが、訪問した企業の中に、机の隅にほこりがかぶったまま放置されてる企業は数社ありました。返品してるわけではないようです。生産スケジューラの業界では、売り手の方が強いんですね。いい商売をしてるんだぁ、ベンダーは。

でも、これって、すごくムダじゃないでしょうか。数カ月かけて調査して、準備して、試行錯誤して、使ってみたけど結局導入できず、という会社が 50%。なんとかかんとか使っているという会社が

45%この範疇に入る会社の状態はさまざま、のようです。導入責任者に楯突けず、仕方なく使っている会社もあれば、使っている振りをしているだけの会社、かえって混乱している企業、、など導入のメリットが出ていない企業が大部分。

低迷する日本の製造業を復活させようと、企業は必死の努力をしている。多品種少量・変量生産環境に突入し、顧客の短納期要求に応えるため製造現場は東奔西走の毎日。そこに、「在庫削減、納期遵守、原価低減、、に苦労してませんか?」なんて言われれば、振り向いちゃいますよ。振り向けばその前に “えさ”がぶら下がっている。“えさ”とは、そうです、“生産スケジューラ”。

Flexscheの “解説記事”の中にある 生産スケジューリングで製造業を変える に生産スケジューラの効能書きがあります。コピペします。

  • 無駄な滞留在庫がなくなる
    納期に間に合わせるために前倒しで作る必要もなくなるので、資材、仕掛かり品、製品の在庫を減らせます。無駄な資産が減ることでキャッシュフローが大幅に改善されます。
  • 顧客の短納期要求に応じられる
    業種によってはコアコンピタンスになり得るほど、受注リードタイムの短縮は競合他社と競争する上で重要な要因でしょう。
  • 論理的裏づけのある納期回答ができる
    生産スケジューラの回答納期はシミュレーションの結果なので、計画に従って作業をすれば納期達成できるのだという確信を持てます。工場内の秩序の確立に寄与するという副次的効用もあります。多くの工場にとって、これも実に価値ある効果とみなされ得るでしょう。
  • 視覚化される
    ガントチャートを見れば、工場の中で何がどうなっているのかが一目瞭然です。
  • 製造現場任せにならない
    製造現場での局所的な判断が、全体にとって良いとは限りません。何でもかでも「現場判断」にむやみに頼るのではなく、正しい棲(す)み分けが大切です。
  • 整然とした製造現場
    前述のように滞留在庫が減るので、各工程前に積み上がっている雑然とした仕掛かり品の山が小さくなります。
  • ノウハウの脱属人化
    計画担当者のノウハウがモデリングおよびルールとして客観化されます。担当者の配置換え、急病、退職の際にも慌てることもありません。

100%信じることはないでしょうが、心は動きますよね。我が社も生産スケジューラを導入してみようか、って思い、数カ月かけて調査して、準備して、試行錯誤して使ってみたけど結局導入できず、という企業が 50。かえって混乱が増したにもかかわらず、様々な理由で使い続けている企業が 45%。じゃ、うまくいっている 5% の企業は、上記のような効果が出ているのかというとっ、

違う、そうじゃない”。

うまくいっている例については、後で触れますが、、。

ここで問題なのが、時間と労力と資金、、のムダ使いが 50副作用に悩まされながら使い続けているのが45%合わせて 95%。効果が出ないことが明らかなことに時間と労力と資金を浪費し、導入できたとしても混乱する生産現場で疲弊するだけ、、これをなくすことこそ生産性回復のきっかけになるんじゃないでしょうか。

事例はいっぱいあるわけです。95%もあるんですから、、。

ところがこの経験が生かされない。これこそ貴重な経験じゃないかと思うんですが、、。

Plan Do Check Action(PDCA)サイクルが回っていない、のかな?

  • Plan(計画);生産スケジューラ導入の計画を立てる
  • Do(実行);実行する
  • Check(評価);計画通り行ったかどうか評価する
  • Action(改善);計画通りでないところを改善する

PDCAサイクルで言えば、50がP⇒D⇒C⇒A⇒D⇒C⇒A⇒D⇒C⇒A・・・・⇒諦め。

45% がP⇒D⇒C⇒A⇒D⇒C⇒A⇒[D⇒C⇒A]・・・以降[D⇒C⇒A]を繰り返す。

どうやら[D⇒C⇒A]あたりに問題がありそうです。どこに問題があるか、、、。

最大の問題は、「どこに問題があるかわからない」。

だから[D⇒C⇒A]を繰返しても見通しが立たず、諦めるか、ダラダラと続けるか、、。

PDCAサイクルが悪いんじゃないですよ。生産ラインの基本的なメカニズムを理解していないことが根本問題、かな。

生産ラインがどのように動くのかを理解しないで、生産ラインを効率よく動かせますか?

これって、基本中の基本でしょ!

「Flexscheの解説記事」にも「Asprova解体新書」(高橋邦芳著)にも、まったく触れられていないんです。他の生産スケジューラ・ベンダーの説明にもまったくありません。生産ラインの基本中の基本が“スッポリ”抜けている。

ちょっと、脇道にそれますが、「Flexscheの解説記事」に「製造業は古い常識に縛られていないか?」っていうのあるんですが、これは、「Flexscheは古い常識に縛られていないか」とすると、ピッタシです。

あっ、おもしろい話、生産スケジューリングで製造業を変える にもありますよ。コピペします。

1990年代には米国でも数多の生産スケジューラのパッケージソフトウェアが販売されていましたが、ほとんどはERPベンダに買収されてしまい、MRPの下位モジュールと位置付けられました。そのため単体製品としての生産スケジューラはあまり出回っていないようです。

一方、日本ではなぜかしらそのような経緯が無かったため、日本の生産スケジューラは独自の進化を続けており、機能的には世界でもトップレベルにあるはずです。それはたぶんおそらくそれは、卓越した日本の製造業のハイレベルなニーズに日々応え続けているからでしょう。

前段は、その通り。「MRPの下位モジュールと位置付けられ、単体製品としての生産スケジューラはあまり出回っていない」んです。1990年後半には、私の記憶では十数社はありました。それがリーマンショック(2008年)ごろには、ほとんど、姿を消しました。

ポイントは、「MRPの下位モジュール」として使われた・・・これが生産スケジューラ生き残った場所です。比率でいうと 5% 。残りの95%(50%+45%)は消滅。なぜ、そうなったか、このブログをご覧の方々は、おわかりになりますよね。

そんなことも知らず、後段の説明、

「日本の生産スケジューラは独自の進化を続けており、機能的には世界でもトップレベルにある・・・卓越した日本の製造業のハイレベルなニーズに日々応え続けている・・・」

だと。

穴があったら入りたくなりますよ。日本の製造業のレベルを押し下げていることにFlexscheは気が付いていない。いやいや、Flexscheだけではなく、Asprovaも、他の日本の生産スケジューラ・ベンダーのすべてが日本製造業の足を引っ張っていることに気が付いていない、、。忌々しきことです。


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